服部 剛 2013年1月13日21時59分から2013年3月13日23時09分まで ---------------------------- [自由詩]風の顔 /服部 剛[2013年1月13日21時59分] 晩飯のおかずを箸で摘み  炒めたもやしを、食っていた。  一本の長く萎びたもやしが  「風」という文字になり  誰かの顔のように  皿にへばりついて、僕を見た。   もしかしたら  「風」は  日々のあちらこちらにいるかもしれない  ---------------------------- [自由詩]天使の声 /服部 剛[2013年1月14日22時28分] 帰りの電車に揺られながら、頁を開いた  一冊の本の中にいるドストエフスキーさんが  (人生は絶望だ・・・)と語ったところで  僕はぱたん、と本を閉じて、目を瞑る  物語に描かれた父と幼子をおぶった母は  一枚の絵画のように  日々の貧しい坂道を夕焼け空へと上りゆく (日々は希望か絶望か?)と僕は問い、耳を澄ませば 母の背から振り返り(キボウ)という幼子の声に   心の中がぱっと明るくなったところで  瞑っていた目は開き  ドストエフスキーさんをそっと、鞄にしまった。  我が家へ続くいつもの夜道を歩いて   「ただいま」とドアを開く  「おかえり」という妻に抱かれた  人より染色体の一本多い周がふりむいて  けたけた笑い、僕の目を見る  ---------------------------- [自由詩]西郷どんは今日も往く /服部 剛[2013年1月17日22時45分] 江戸の町を外れた木々の緑の林道を  刀一本脇に差し  首輪を繋いだ愛犬つれて  悠々(ゆうゆう)と風を切り  西郷どんは、ずんずん歩み往く  勝海舟の願いを聞いて  江戸の戦火を避けた西郷どん  明治新政府の役には就かず  愛する薩摩に帰った西郷どん  ふたたび政府に呼ばれたが  亜細亜(アジア)に対する政策が嫌で  やっぱり薩摩に戻った西郷どん  嘗て武士だった者達と苦しみを分け合い  五十年の生涯を自ら閉じた、西郷どんは  百年以上時の流れた  平成二十五年の銀座・文藝春秋画廊にて  ふらりと訪れた青年の僕が  カウンターに座り熱燗を飲みつつ  眺めた額縁の中で  今日も緑の風を切り  何処までもずんずん、歩み往く  林道の遥かな出口に  ひかり溢れる  日本の曙を目指して  ---------------------------- [自由詩]喜びの日 /服部 剛[2013年1月21日20時52分] なかなかはいはいしなかった周が  ある日突然、棚に掴まり立ちあがった。  「すごい、すごい」  諸手を叩いて、僕は言う。  「ぱ・・・ぱ・・・、ぱ・・ぱ・・」  こちらを向いて、周が言う。  褒めれば褒めるほど  笑顔は増して  無数のしなぷすは連なり  未知なる命が、輝きそうだ  ---------------------------- [自由詩]いのちの歓び /服部 剛[2013年1月21日21時03分] 今迄の僕は  どれほど多くのまなざしに みつめられてきただろう    どれほど多くの手に  支えられてきただろう  今、僕は、ようやく  幹の内側からいのちの歓びを呻(うめ)くように  地中に根の足を張り始め  空へ枝葉の掌をひろげ始め  自らという樹木の内に  脈打つ、心臓の音(ね)が  からだの隅々を巡りゆく――  これからの僕を  どれほどの雨が潤すだろう  どれほどの陽をそそがれるだろう  僕は伸びる、何処までも  あの空へ この声音(こわね)の響き渡るまで  ---------------------------- [自由詩]卵の音 /服部 剛[2013年1月25日23時38分] 年の瀬の上野公園は  家族づれの人々で賑わい  僕等は3人で  枯れた葦の間に煌く  不忍池の周囲を歩いた  ゆくあてもないような僕等の歩みは  本郷へと進み  詩友Fの朗らかな顔に  何故かこの胸は少し、痛んだ  本郷3丁目駅の近くにある  「麦」という名曲喫茶の地下に入り  昼食を終えた頃――  ようやく僕は、口を開いた  「今日3人で顔をあわせるのは・・・」  言いかけたところで  詩友Rは横から  「はっとりんはwonder-wordsを卒業します」  詩友Fは思わず  「お、おめでとう」と、呟いた。  それから僕等は3人で  ゆず茶を  クリームソーダを  ブレンド珈琲を  それぞれに啜りつつ  古事記について  明治維新について  戦後について  心の病んだこの国について  そしてPoetryについて  3時間の穏やかな討議をした    *  額縁のモーツァルトは  思案げに俯いていた――    *  「はっとりん、俺等は歩いていくよ」  「麦」を出て、地上にあがった  丸の内線の改札で  詩友FとRとがっしり握手して  静かな魂の震えるままに  稲穂になった僕は頭を垂れた――  ふたりの背中が薄闇に、遠のいていった  僕は改札の中へ、入った    *  ホームに滑りこんできた  地下鉄のドアがゆっくり、閉まる。  世界の何処からか  あたらしい卵の割れる音が、聴こえた  ---------------------------- [自由詩]愛犬の声 /服部 剛[2013年1月28日21時53分] 老人ホームで百歳のお婆さんが旅立ちました  「若い頃桜島が噴火してねぇ・・・   首輪をつながれた愛犬の悲鳴が   今も聴こえるんだよ・・・   」  遠い昔に世を去っても  お婆さんの心に消えぬ、あの悲鳴。  お婆さんが世を去っても  介護した僕の心に何故か蘇る、あの場面。  今頃ましろい遥かな国で  お婆さんは歩いてゆく  長い間尾っぽを振って待っていた  愛犬の元気な呼び声の方へ  ---------------------------- [自由詩]灯台ノ道 /服部 剛[2013年2月6日17時52分] 暗闇の航路を照らすあの灯台に あなたは、詩人を観るだろう。  ---------------------------- [自由詩]自画像 /服部 剛[2013年2月6日22時09分] 背筋を伸ばしたスタンドの顔が  ジイドの古書の開いた頁を照らす時  長い間つけていない  TV画面に映る自分の顔と、目があった  ---------------------------- [自由詩]ヨコハマの青い夜景ー献杯の詩ー /服部 剛[2013年2月6日22時24分] 細長いのっぽビルの  1階から23階へ  光のエレベーターは昇りゆく  23階から1階へ  光のエレベーターは下りゆく  祈りとは  両手をそっと重ね  天と地をつなぐ交信である――  今日は、美しい歌姫の月命日。   在りし日の歌姫が嗜(たしな)んでいた  赤ワインのグラスを片手に、僕は  本の写真やCDの円盤に納まった  貴女(あなた)を偲びつつ・・・  窓外の観覧車に点滅する光の秒針に目を細め  赤ら顔で、7階のBarからみなとみらいの  青い夜景を観ている――  ---------------------------- [自由詩]はつ夢 /服部 剛[2013年2月8日23時29分] 年賀状の写真から  親戚の一歳のこどもが  すくっと立って、こちらに  きょろりとした目で 新年の挨拶をする  その夜  嫁さんが皿を洗う音を聞きながら  一足お先に布団に入った一歳の周に  僕は子守唄を歌う  ミルクをいっぱい飲んだ後  椛(もみじ)の両手を開いたまんまの  あどけない寝顔   (パパが、守ってやるからな・・・)   人より染色体が一本多く  なかなか立たない周をみつめ  思わず心に、呟いた。  皿洗いを終えて一息ついた、嫁さんが   ゆっくり僕に、お屠蘇を注いだ。  テレビでは「五体不満足」の乙武さんが  とてもお洒落な服を着て  これからの夢を語っていた   静かに頷く嫁さんに  今度は僕が、お屠蘇を注いだ。   新春の、夫婦で嗜(たしな)む酒の味に  ほろ酔いつつも  ふたりの目線の先で夢を見て  布団の中ですやすや眠る  周の椛の手のひらが、開く  明日の夢を掴むように  ---------------------------- [自由詩]木のひと/服部 剛[2013年2月8日23時55分] 日々それぞれの  場面々々に   直観の行為、を積み重ねよ――  行けば行くほど・・・  動けば動くほど・・・   一つの○い出逢いの場に  日向はあふれ  あなたはそこで一所(ひとところ)の土深く、根を下ろす  あなたはそこで天に掌の葉を、広げる     そうしてあなたはいのちの木となり  陽を浴びながら  無数の葉を風に揺らして  全身で唄い始める  ---------------------------- [自由詩]人形ノ声 /服部 剛[2013年2月12日21時24分] 手にした鉛筆に宿る(こころ)が  白紙に綴る言葉で語り出す時  柱に凭れて腰かける  青い瞳の人形は、口を開いた  ---------------------------- [自由詩]ペガサスの瞳  /服部 剛[2013年2月12日21時40分] 雨の降る公園で  ずぶ濡れのまま、しゃがみ  小石を手にした少年は  地面に絵を描いていた  通りすがりの僕は  吸い寄せられるように、公園に入り  少年の傍らに、しゃがみ  すっぽりと傘に入れた  「これ、何の絵?」  「ペガサス・・・」  誰かに殴られ  腫れ上がった少年の頬に  雨粒の涙が、落ちた  「きれいな馬だねぇ・・・」  こくり、と少年は頷き  地面に描かれたペガサスは  雨天の空の彼方へ  駆けていった――    *  二十年後、詩人会の集まりで  何処か見覚えのある  青年がいた  ――あの日の少年だった。  大人になった彼は、賞に選ばれるほど  優れた詩人になっていた  あの日、雨天の空へ昇っていった  ペガサスの瞳が  彼の眼鏡の奥に光った  ---------------------------- [自由詩]老婆の麺麭/服部 剛[2013年2月12日21時59分] 薄茶けた昭和の古書を開いて  ツルゲーネフの描く  露西亜の田舎の風景から  農民の老婆の皺くちゃな手は  搾りたてのぶどう酒が入った器と  焼き立ての丸い麺麭(パン)を  時を越え  読者の僕に、差し出した。  (見えない麺麭)を手に取った僕は  口に含み、味わい・・・  血のようなぶどう酒と共に  喉へ流しこむ――  開いた余白の頁に浮かぶ風景は    藍色の空の海に浮く、一艘の雲  しきりに尾を振る、馬のわななき  全てを見守る、背後の山々  (主よ、この手はもう何もいりません・・・)  主人公の清貧の台詞を聴いて  僕は知るだろう  もし、自らが乞食になっても  全てを胸にみたされながら  この手のひらに乗せた  (空(くう))という透き通った麺麭を――  ---------------------------- [自由詩]日捲りカレンダー/服部 剛[2013年2月14日23時32分] この世に生まれてから  今日に至るまでの一日々々を  風に捲られてきた暦は  人生の旅路の果ての 終着駅に至るまで  捲られる暦は  どれほどの厚みだろう――?  産声をあげた、あの日と  棺に横たわる、いつかの  間にある  今日というたった一枚の紙の、重み を思いつつ  窓枠の空を眺め 頬杖をついてみる  ---------------------------- [自由詩]柴田トヨさんの声  /服部 剛[2013年2月14日23時50分] 仕事から帰ると嫁さんが  「はい、これを見て!」と新聞を手渡した  ※今週の本・Top10※  1位…  2位…  3位柴田トヨ「くじけないで」  4位…  5位…  6位柴田トヨ「百歳」  百一歳の詩人・柴田トヨさんが  旅立ってから二週間  独りひとりの読者と出会いを求めて  風になったトヨさんは  体の無い自由さで  今日も世界の空を、吹き渡る  先日、電話をしたら  「おっかさんが映画になるんです」  と息子の健一さんは言い  「おっかさんの宿題が始まりそうですねぇ…」  と僕は答えた    *  鞄から取り出し、トヨさんの本を開いた  頁の余白に  手書きで三本の斜線が  天から地へとふりそそぎ  (陽射しになってあなたを応援しています)  本の中から今も語る  トヨさんの声が、聴こえた  ---------------------------- [自由詩]紙のスクリーンー私の詩ー /服部 剛[2013年2月19日23時28分] 私の詩は 日々の呼吸のようなもの  幾千万も繰り返す  数え切れない吐息等が  ふいに光るように  今日も私は  まっさらに広げた  紙のスクリーンに  日々の場面を浮かべ  この手にペンを 持つのです    ---------------------------- [自由詩]なめくじ親父 /服部 剛[2013年2月19日23時42分] 塩を振られたなめくじは  縮みあがった僕なのです  縮みあがった僕だけど  今は一児の父なのです  一児の父であるならば  縮みあがった、この体  自分らしくのそぉりと  濡れた体をてからせて  体をのばす、歓びを  体くねらす苦しみを   親父のほこりというものを  示してやらねばなりませぬ  可愛(かわゆ)い可愛(かわゆ)い、僕の児(こ)が 後から笑って這ってくる  ---------------------------- [自由詩]旅人の本 /服部 剛[2013年2月20日18時46分] みつめれば、みつめるほど  世界は語る本となり  行間の道で草花の囁く秘密は  旅人の背に、託される  ---------------------------- [自由詩]ある哲学者との対話 /服部 剛[2013年3月2日19時23分] 食卓に置かれた長方形の皿に  横たわる、くろい目の秋刀魚は   いつか世を去る  私の象徴として、この口に入る     *  日常の素朴な場面を絵に描いた  一枚の布をバケツの水に浸し  両手でぎゅりり…と絞る     *  一滴の水を――  いのちの水を――  私の渇いた魂は飲みたい     *  両手を広げるきりすとの内に  一本の木があり  一本の木の内にきりすとがあり  彼こそ、全てを貫くひとすじの道である     *  九十九匹の群から逸れた  一匹の迷える羊の心に  ひかりの原石はある     *  君の弱点を引っくり返してごらん  そこに小さい緑の芽が出て  世界に一人の君という  花の顔は咲くだろう     *  ひとりの人の内に  宇宙は、ある  聴こう…無数の鈴を密やかに鳴らす  あの星々の合唱を     *  私の日常の   一挙手一投足は  ひかりの人の像を、ほる  彫刻である ---------------------------- [自由詩]道化師の耶蘇 /服部 剛[2013年3月2日19時27分] ある人は白隠禅師の絵を観て、呟いた。  「ルオーが観たら、何と言うだろう」  河童のように禿げた頭と  あばら骨の浮き出た体で  髭ぼうぼうのお釈迦様  美術館の空間で  ひと時佇み、じっと、みつめる  禅の絵に  何故か後光が射して  ルオーの描いた  道化師の耶蘇に観えてくる  ---------------------------- [自由詩]蟻の心 /服部 剛[2013年3月2日20時35分] 蟻は匂いのある方へ往く    一瞬、静止して  触角をぴくり震わせ  再び――無心に進む   (黒い背に小さな太陽を映して) 日常にふと佇む、僕も  蟻の心で  何かを受信しようと   透けた触角を、立てる ---------------------------- [自由詩]あちらとこちら /服部 剛[2013年3月3日20時07分] 箱のカバーから、背表紙を指で摘み 中身の本を取り出して   カバーは向かいの空席の、あちらに  中身の本は目線の下の、こちらに  置いてみる  いつか人が(体を脱ぐ)のは  こういうことかもしれない  机上の古書に宿る魂が  時を越え  開いた頁から  こちらに語りかけるように  ---------------------------- [自由詩]休日の過ごし方 /服部 剛[2013年3月3日20時27分] 無精者ゆえに  手の爪は時折切っても  足の爪はしばらくほったらかしで  気づくとひと月過ぎていた   風呂あがりの軟い爪を  ぱち、ぱち、と  広げた新聞紙に、落とす。  (これを12回で1年か…)  思いの外に時の流れは早そうなので  いつになくささっと身支度をした僕は  旅の本を鞄に入れて  今日最も行きたい場所を目指し  乗りこんだ車のキーを差して、廻した  ---------------------------- [自由詩]遠吼え /服部 剛[2013年3月8日18時24分] ある日、届いた封筒から取り出した紙は  「わんニャン展」のお知らせで  三日後にみなとみらいの地区センターの  展示会場に入るや否や  平日の人もまばらな空間に  木霊(こだま)する…無数の悲痛な鳴声達  私が吸い寄せられた  一枚の写真は  人間(ひと)のいない福島の村  ――黒犬は、瓦礫の山の頂で    消えた主人を今日も呼ぶ――  ---------------------------- [自由詩]希望の芽/服部 剛[2013年3月8日18時54分] 石巻の仮設住宅に住む  Tさんに新年の電話をした  「あけましておめでとうございます   今年もよろしくお願いします  」  「いよいよ来月から   津波に流された場所に、もう一度   新しい家を建てるんですよ…  」  「それは良かった…そうですか」  「物資の不足でいつ完成か、わかりませんが   (蝸牛、のたりのたりと、富士の山)と   誰かが詩(うた)った感じです         」  「被災された経験者の言葉ゆえに…   (希望の芽)の大事さを感じます」   「お盆の頃に建つかもしれないので   ぜひ来てくださいね…     」  「はい、楽しみに…おやすみなさい」  Tさんは今夜も、睡眠薬を飲み  布団に入るのだろう  「兎と亀で、亀が最後に勝ったのは   目標があったからなんですよ  」  Tさんの言葉を  自らの不器用な道に重ねて  まだはいはいをしない一歳の周に重ねて  「新しい家」を夢見るTさんの心に重ねて  ――携帯電話のボタンを押して、切った時  遠い空を渡り  縁の糸でつながれた  それぞれの新年が、幕を開けた  ---------------------------- [自由詩]ありがとうの星 /服部 剛[2013年3月8日19時03分] 今日という一日に数え切れない (ありがとう)が、隠れている。   よく晴れた日の夜空に  いつのまにか姿を現す  あの星々のように――  ---------------------------- [自由詩]チャップリンの友情賛歌 /服部 剛[2013年3月13日22時56分] 暗がりの映画館で  白黒のスクリーンには  だぶだぶの燕尾服に しるくはっとのチャップリン  ふらりと現れた酔っ払いと  ふとしたことから口論になり  胸ぐらつかみ、胸押しあい、もつれ転がり  よろおりと立ちあがるチャップリンは  パッパと埃を手で、払い  しるくはっとを地面に、叩きつけ  互いのおでこをくっつけた2人の横を   のったりと  はげ頭の爺さんが、杖をつきつつ  通りすぎていった――  「いかんな、熱くなりすぎた…」  「すまんな、我を忘れちまって…」  3分前には  地面に転がりあっていた2人は  いつのまにやら兄弟となり  肩を組みつつ歌うのでした  スクリーンの中から  映画館の暗がりに座る、皆様へ                 Fin  ---------------------------- [自由詩]百年の夢 /服部 剛[2013年3月13日23時09分] 伊東の老舗・東海館で  和室の窓外に、ゆらめく川の水面(みなも)を  一羽の白鷺が横切った  一枚の枯葉が今  枝先を離れ、ゆらめく川の水面へ  身を翻(ひるがえ)し宙を舞う  もし、一瞬というものが百年の夢ならば  今日、あなたは何をするだろう?   ※ 初出:神奈川新聞(平成25年2月3日)に掲載。  ---------------------------- (ファイルの終わり)