沼谷香澄 2017年10月11日19時39分から2017年11月25日21時23分まで ---------------------------- [短歌]藪 より/沼谷香澄[2017年10月11日19時39分] すれ違うバスに手挙げる運転手その手袋に染み付いた夏 図鑑開けばマツヨイグサの花の上カミキリムシが交尾したまま くねくねとうるさい耳に触れながらオレンジ色の雲を見ていた 浜道の路肩にタイヤ乗り上げる名を知らぬ浜選んであなた 夏山の緑 緑はこんなにも得体の知れぬものだったのか アスファルトの上を覆った熊笹に触れてもいない脚がかゆいの 天井は青空だったああ待って、雲の部分に虫が死んでる ミュールの泥が落ちてなんだか嬉しくてベッドの上を歩く。ざくざく カーテンを開けてみようよ目隠しの板が癒しの香を放つでしょう くるいだす海の色粒 太陽が刻一刻と意地悪になる 初出: Tongue 第1号 2003年10月12日発行 原文縦書 ---------------------------- [短歌]崖 より/沼谷香澄[2017年10月12日22時39分] 夜明け前から降る雨に冷やされて知らず固化するわたしであるよ いえぬちにいるとき雨は沁みてくる。知ってる、外に出ればいいのだ 見上げれば雨がざーざー降っている 染みひとつないしろうい天井 アメリカセンダングサの固化、いや木化した日向(ヒナタ)、微風(ソヨカゼ)、がまんできない パンパスか?薄か?パンパスか?薄か?あたま一杯埋めてよ、白よ 隣家から薔薇のラティスに這い込んだ凌霄花(ノウゼンカヅラ) 咲けば許そう 蔓(かづら)つるくさ悲鳴を毟る(毒虫と紛う根を出す凌霄花) セイタカアワダチソウが視界を包み込む(いのちだ)崖を滑って降りる 細胞が全部貴方を向いていたそういうときはいい子ができる ええと、でも、今じりじりと音立てる鉄塔を見て、ほら、また、あれが、 初出: Tongue2号 2013年11月15日 原文縦書 ---------------------------- [短歌]炎上 より/沼谷香澄[2017年11月3日21時32分] 鉄塔が一・二・三・四・五・六・七冬の畑を遠巻きに走る 壁を見るたびに震える目の中の双子の振り子。時計、こわれた 毎日の電話 かならず接続後二分五秒で圏外になる うつむいて、馬なでて、馬の首なでて、うつむいていた 馬が見ていた 二分も前に行ってしまったバスを待つ/ふゆのひ/たった十二分間 誰もいない私の腹で声がする、こ、こ、声、お、老いた男の、こ、声 貼り付けたような青空おしのけてしろい朝日が高みを目指す 八・九・十 重なりながら遠ざかる鉄塔の色。霞む電磁波 すはだかの畑に虫が飛んでくる病んでも匂うふしだらな菊 家の形の炎がそこに建っている 消防車動かない 抱いてよ 初出:Tougue3号 2003年12月29日 原文縦書 ---------------------------- [短歌]砂 より/沼谷香澄[2017年11月4日20時59分] 音のない青空である 端っこをびりびり破り裂く哨戒機 白い、錆、赤い、石灰、見てしまう。古い高架は堅い、おそらく 海ゆかば。冬、清潔に風化され。臭い残さず水漬く屍よ。 ◇基礎体温を付ける◇気分を記録する◇小さな達成感を見つける いま、あなた、タイヤ抜かれた自動車の、気持ちわかりますか、何考えてるか 立つ死体。うん、故事を引くまでもなく、死にます、死んで砂になります 谷ゆかば。動物園を定年で辞めたゾウらの老ゾウホーム 白っぽくちぢれる冬の緑葉が希望の意味を囁いている あるはずの運河の幅は二百メートル しゅうしゅうと風、イネ科の枯葉 まぼろしの水門越えて赤さびた犬がボールをフェッチしている 初出:Tongue第4号 2004年1月21日 原文縦書 ---------------------------- [短歌]蟲動 より/沼谷香澄[2017年11月5日19時37分] 生命に憑かれているというべけれ 湿原にずぶずぶと、足首 人食う、人の、目の、白、光、血を流し、たるは、食う顔、食え、サトゥルヌス 青空に白く小さい染み一つ仕方がないの有明の月 切り株に選択肢ありもうすこし空の近くを知る選択肢 包丁が夢を真っ赤に染める頃あつくぼやける山の輪郭 死んだから食ったのである 食ったから死んだのである 死んだのである 街道の脇によけられて死があった 食え。見られて名がつく前に かよわいうちにやる 減っていく人間が誰かの生を確実にする 雲はいつ眠るのだろう白っぽい夜空に見下されつつ思う 新雪に鮮血を落としてみれば。汚く溶けるだけだ。ばかたれ 初出:Tongue第5号 2004年2月29日 原文縦書 ---------------------------- [短歌]塚 より/沼谷香澄[2017年11月6日21時47分] 看板のペンキが文字の型どおり剥げているから読める。牛乳 げに量りがたきは寿命・生命力・必要とされる度合い(書籍の) 芝桜模様に透ける衝立の向こうに顧客管理簿が咲く 寝る前に読んだ雑誌と知り合いがすぐ夢に出るつまらない春 青空が善意悪意を半々に広げてすこし濁り始める 生きている骨は赤みを帯びている鉄器が土を染める前から 人間の骨が同時に残るには何か理由が必要なのだ 深海の珊瑚の幹の赤色は千年後にも赤いだろうか 咲き出した桜の上に降る雪も名づけられよう近い将来 ララバイのリクエスト、急に難しくなって。困った。歌詞を聞き書く 初出:Tongue第6号 2004年3月29日 原文縦書 ---------------------------- [短歌]境界 より/沼谷香澄[2017年11月11日23時05分] 白い水泡立つ水がゆるやかにさくらはなびら運び去ります 眼底はきれいだそうだ わらわべもねこも目玉を狙って来るが 桜葉のトンネル抜けて(抜けないで)(ここにいたいの)孫見せに行く のど赤きつばくらめって本当にいるんだね春百円ショップ 芙蓉葉のトンネル抜けて(急ぎましょう)(自分で決めた)都心へ向かう 春麗乗換口をくぐる人の後姿のだらしなきこと チョコレートひとつかじった。チョコレートふたつかじった。みっつかじった。 世界 くらくて さわれない よくわからない 多分名前はないのだ 世界 山は、山は、名前の違うみどりいろ、詰め込み、稜線をこえゆきぬ 目の下に海がある、らしい フェリーボートは、口あけて車を待っている、らしい 初出:Tongue7号 2004年4月30日 ---------------------------- [短歌]流動体 より/沼谷香澄[2017年11月13日21時44分] 都市部では人の体を流れゆく水の違いが見て良くわかる 黒い。黒い。水木の樹液たっぷりと飲んで太ったアブラムシども 死であった 指先を病んだ結果の 花瓶の脇の携帯電話 平和に 光の当たらない場所でアカマンボウが海水を飲む 猫は水 太った猫はたっぷりの水 日にコップ一杯の水 生に期間はあって短い死にも期間はあるのだきっととても短い 鈍色の煙の幕をくぐるときまなうらの平原はわたしの中にある 外に出る(くやしい)(私のせいじゃない)空気に混じる水がきれいだ 枯れ枝と思って切った切り口がまだ青かった 飲んでた。ごめん 菜の花や時は東に気は西に身体は乳酸菌の床這う 初出:Tongue8号 2004年6月13日 ---------------------------- [短歌]夢(一) 全文/沼谷香澄[2017年11月15日22時46分] 彼岸から呼び続けてる猫がいる、いいや、あの子はいま膝にいる 気温二九度。湿度六〇%。さあこれからだ、というときに、抑えつけるものがまたやってきた。いいかげんにしてくれいったい誰なんだ。と問い詰めて二十年すこしずつすこしずつもつれた神経回路はほどけていって私は大人になった。太陽は頭上に眠り青空は不吉な銀に沈み始める 私の尖端を押し戻しているのは何か。母ではない。母は私を愛していた。ただやり方を間違えただけだ。母とはもう完全に切れている(臍の緒だ)、一方で父の影響が大きいので早く異化するように占い師は言った。 待ってくれ。ろくに会わないものを異化できるか(対立できるか)?外面上何の対立もないものを異化できるか?自力で考える限り、敵は思い出の中にしか存在しない。思い出はなかば作られたもの。他人または自分によって。 思い出。思い出の、思い出の傷口を開くこと。影がよぎる。朝日をさえぎる。前でも後ろでも上でもない。ならば下か。屈辱。軽蔑するものからの屈辱。「意志の弱いものの一見弱い人生」を認めない考え方。 母。(要するに、複雑な自分の人格の要素を、自分で整理できていないのだ。)生きててナンボ、というのは非常時も豊かなときも変わらない。この時代にあって私は苦しい。茶色いりんごを四つに割って丁寧に皮むいて喰う 冷たい 苦い 雨が近い。磯の匂いがする。腹這いになると下腹が痛むので丸まって寝る床が生温い かつては、鬼門に頭を向けて眠る私の外と内を同時に通り過ぎていった。またあるときは、私たちの娘(!)の前に姿をあらわして、何かをして見せたらしい。初めは興味深げに見ていた娘も怖がるようになった。 父の生霊。かわいいものを慈しむことの出来なかった(出来ずにいる)父の念(哀しみ)。希望もなく絶望もない父の念。希望なく絶望なき父の念。希望と絶望。罪ですか?罰せられるほどの罪ですか?意志に反して膨れる目蓋 あまねく世間に潜在する、父を客に母を遣手婆に持つ全てのエレンディラたちに私は涙する。わたしはやられていない。だれにもやられていない。大事なものは知人に盜まれるものだ担任と三人輪になって踊った 「まあ、勘弁してあげなさいよ」と言う人の不在がことをややこしくした。長い長い不在。全ての人々が老いさらばえるまでの不在。今からでも遅くはない。まあ、勘弁してあげなさいよ。はいわかりました。なんだこの腑抜けたダイアログは。はなびらのなかやわらかな乱反射。家の東の露草の花 私の千葉はおばさんの居所でもある。父の妹。愛情を拒むもの。父の娘。愛情を拒むもの。父の妻。支配によって愛するもの。父は小さいものを慈しむように女を愛したかった。 性ではなく、愛。性ではなく、性ではなく、愛。私は、一生に一回だけ、父を抱きしめなくてはならないのだろう。そういう意味で私は父を愛しているのだろう。落とされて足元に泣くあかんぼは縋る事しかできんだろうが 磯の臭いが続く。もしそこに山がなければ今ごろは焼き殺されていたことだろう お父さん流される人生はどうでしたか?苦しいとか嫌だとか言わなかったけれど、言いたくなかったですか?酒と煙草だけは老いて衰えるまで絶対に辞めなかったことが、唯一の抵抗、意思表示、存在の主張だったのでしょうか?違いますね。 存在は、主張する必要がないことを早くからお父さんあなたは知っていたのですね?どのように流されても生きている限り即ち、自分は「存在するもの」であり価値が生じる。生きててナンボ、というのは非常時も豊かなときも変わらない。 よくぞ生き抜いてくださったお父さん。不可能な彼が真夏の雲に乗り周回遅れのわれを見おろす しかし私はいまだに抑えつけられている。例えば。欲はいけない。嫉妬はいけない。というような日常の小さなことの積み重ねが自身を押さえつけていないとは言い切れない。 ということは押さえつけられない方向へ進めばいいのだ。日常の小さなことの積み重ね。遠くの父。微熱がゆっくりと引いていき、右手の親指が激しく震え始める。待ちなさい。早急にすべての解決を求めてはいけない。 初出:Tongue9号 2004年7月18日 原文縦書 ---------------------------- [短歌]夢(ニ) 部分/沼谷香澄[2017年11月16日19時05分] 窓の外、乾いた風がぱらぱらとヤマモモの葉を鳴らす。猫がきりりと座りなおす。首を長く伸ばして何かを凝視している。不可能な猫が財布を手に持って医者行ってくると窓閉めて出づ。 不可能な猫が小さな車椅子引いて座敷を駆け回りおり。 不可能な猫が座敷の戸を開けて人に鼠を見せに来たりぬ。昔死に目に会えなかった猫がいた。一匹は安楽死、一匹は失踪。いなくなった猫達に別れを言えなかった事を私は三十年間思い続けた。ペットロスなんて言葉はなかった。 家族構成が変遷するたびにパンを捏ねるように心が変形した。家族の関係が変化するときにも。?日夜が更けると言い争いを始める人々。家に居付かない人。監視。呪縛。無視。威嚇。恐怖。萎縮。諦念。自虐。 盾。冬薔薇の花を落として鉢に挿す芽が一つ出てやがて枯れたり。 オレンジの種を小鉢に埋め置きぬ花一つ咲きやがて枯れたり。 オレンジの花は最後に口あけてなぜ離婚しないのと彼らに言いつ。ところで待ち人は来なかったらしく猫はほどなく姿勢を崩した。どっという鈍い音。猫は痩せたのではなく夏の暑さに備えて毛を減らしただけなのだがそうだとしたら寝姿の息苦しさをどう説明付けるのだ。 生後一ヶ月で貰い受けてから三年が過ぎたが切なさはいまだ変わらない。父に話を戻そう。不可能な彼が景清を謡いおり暗い座敷の灯り背にして。 不可能な彼、里山に走り入り遠き深山の主になりたり。 不可能な彼の好みし箴言を集めるいずれ世に問うために。 不可能な彼の蔵書を売りに出すために土蔵に足踏み入れぬ。父は何をしたかったのか、と問うことに意味はあるか?現在の答えはノー。断続的に訪れる病気と、アレルギーと、手術と、事故と、境遇を経てなお永らえているだけでも驚異的である。 しかし。昔々の、暗い蛍光灯の八畳間に「おとうさんのひきだし」のあった時代に、同じ問いを問うたらば、また違ったものが得られたかもしれない。かもしれないなどととんでもない、父も、(母と同じように!)、したいこと、したかったことを常に口惜しそうに語っていたではないか!(よく聞けばいつも子ども心にさえ目先の情報に踊らされていると思わざるを得ないものでしかなかったが)。 戦争中の子どもの夢は「生き延びること」。その夢を父は大きく果たしたのだ。(他の夢を抱き得なかった哀れな者たちよ!)蔵書?土蔵?とんでもない。そんなものの持てる暮らしなら昭和の時代に口減らしのために奉公に出されることもなかったであろうに。柘榴 桑 アケビ 木苺 蛇 蛍 鼠 足高蜘蛛 鉦叩お父さんおめでとう夢はかなっていたんだね。パキラパキラ 花が咲いたと お勝手のうすら湿った噂話と猫が異臭を気にして後脚を舐める。勝手口の扉の外には私が腐らせた貝が捨ててある。左手の指と肘とを蚊に食われ右手が痒くて目を覚ましおりもうひとつ問う。何をもって、私を傷つけた中途半端な欲を相殺する?発展する社会の中で矮小な人格で不器用に私を愛した父を嫌った私は罪を犯していたのか?いたのだ。私は父を抱きしめる前に、足もとに下り許しを請わなければならないだろう。大袈裟ではなく。大袈裟ではなく。夢を果たして七十余年を生き抜いている父に幸いあれ。次には私達が娘にしてやるべきことが見えてくるはずだ。 何が起こるかわからなくなってしまっているからといって何もしないわけにはいかない。個人に滓のように溜まった感慨など時の激しい流れが持ち去ってしまうだろう。四季がある変わり目ごとに風邪を引くように杉菜のコロニーが立つ。 この腐臭はいつまで続くのだろう。空は青く雲は白く子さだめて流れにうまく乗りて去るべし。 初出:Tongue10号 2004年9月11日 原文縦書 ---------------------------- [短歌]道の終わり より/沼谷香澄[2017年11月23日18時43分] かつて平城(ひらしろ)なりしものあり国寶(こくほう)の碑銘を残し倒壊しけり ちかごろは酔いて吐く日の多かるになお飲みたしと書に記し置く ないものをあるというのがくるしくてわたしは太りゆく徒に 深刻な事態ほどその渦中では判らないそして伝わってない そうだな、きっとずっとお互いさまだったのに違いない、見ないでくれと 玉の緒の絶えたところに穴開いて流出遺失するプライバシー 肉体は道の終わりを受け入れて空(くう)の古墳を見ず引き返す 地方史の記述に粗密つくられてわが古里に社(やしろ)すくなし 散らかった玩具のなきを嘆く日が来るかもしれぬでも今じゃない 故障して撤去されたるパソコンのありたる場所にぼんやりと影 初出:Tongue11号 2004年11月10日 原文縦書 ---------------------------- [短歌]貝塚 より/沼谷香澄[2017年11月25日21時23分] 思い出は命を熔かし手作りの花嫁衣装虫食いており 断片に身体を残す死に方をすると必ず鬼になれるよ 諍いの理由を述べよ(1)領土(2)種の保存(3)好きだから 戦いを始めるための罠ならば田舎に暮らす猫だって張る 絶命の理由を述べよ(1)戦死(2)闘病死(3)気が向いて 願わくは畳の上で昼死なんあまた子孫に看取られながら 抱き合って発掘された、貝塚の一組の男女(めお)、 現物はガラスケースに、現場にはレプリカひとつ、 かたわれは中年男、あいかたは少女の風情、 いつから 一緒にいたか、いつまで 一緒にいるか、 頑丈な墓ではなくて、地位高い人でもなくて、 ノーマルな土葬であれば、骨さえも残らぬものを、 今もなおこの地に産す、あり余る貝のまなかに、 干潟から離れた丘の、日の当たる乾いた土地に、 日の下にゆるく抱き合う、この二人誰の意志にて、 愛し合う形ばかりが、このように葬られたか、 このよに永らえたのか、関係は今も判らずと、 銘板は言葉少なに、人骨の由来を示す、 美しき人の心を、伝えゆく手段はあるか、 たとえば 恋愛悲劇、二時間分の言葉を使い、 時々に再現されて、時々の人の心を、 それぞれにうごかしてゆく、書になれば形に残り、 大切に蔵に置かれる、ふりかえり骨みおろせば、 在るままに形は残り、言葉は 風化してゆく、 私には確信がある、必ずや男のほうが、女への殉死であろう、 合葬というのだろうか、みまかりし人を目守(まも)りて、 どこまでもゆく決意もて、墓穴に身を入れたのだ、 抱き返さない腕を抱いて、 見上げない頭をなでて、 大切な顔を庇って、いるのであろう。 ヨブ記による反歌 我(われ)何(なに)の氣力(ちから)ありてか尚(なほ)俟(ま)たん黒く残れる皐月の雪を 裨(たすけ)なき談(はなし)益(えき)なき詞(ことば)もて辯論(あげつら)はんは喜(たのし)もよ、夢 初出:Tongue12号(終刊) 2005年2月11日  原文縦書  ---------------------------- (ファイルの終わり)