水宮うみ 2019年11月4日20時06分から2020年1月20日17時37分まで ---------------------------- [川柳]生き物として/水宮うみ[2019年11月4日20時06分] 音楽に身を預けている電車内 生き物としてこれからを暮らしたい 視力など使わなくても視えるもの ---------------------------- [川柳]一つの一日/水宮うみ[2019年11月5日19時48分] 朝焼けを見ながら食べた卵焼き この風に去年も触れた気がしてる 青色がのんびり過ごす晴れた空 夕焼けに町はほんのり大人びる 真夜中が夢のむこうで待っている ---------------------------- [川柳]予定/水宮うみ[2019年11月7日18時18分] 世界より大きな夢をもっている おやすみの後でめちゃめちゃネットする 来世でもしょうゆラーメン食べたいな ---------------------------- [川柳]名前を知らない/水宮うみ[2019年11月8日19時17分] 宇宙へと想いを馳せる宇宙人 詩のような話をしてる待合室 無邪気さを隠せていない男の子 ---------------------------- [自由詩]冗談/水宮うみ[2019年11月9日19時56分] 僕は、君が喜ぶような冗談をずっと考えている。 冗談を君と言いあう時間が、冗談みたいに楽しいから。 笑いながら楽しそうに話をする君が冗談みたいに大好きで、 その気持ちは、冗談にしたくないなと思う。 ---------------------------- [川柳]つづき/水宮うみ[2019年11月11日18時47分] 生きてれば、きっと毎日が誕生日 雨の日に何故かあなたは晴れやかだ 少しずつ冬の私に変わってく ---------------------------- [川柳]走ってる/水宮うみ[2019年11月13日16時08分] 昨年とおなじ惑星で暮らしてる メモ帳を持って散歩に出かけます おっちゃんが犬と全力で走ってる ---------------------------- [川柳]穏やかなひかり/水宮うみ[2019年11月16日16時31分] 文字のなか 遠い誰かの空がある 満月は昼のひかりを知っている 少しだけあなたみたいになれたんだ ---------------------------- [自由詩]明るい/水宮うみ[2019年11月19日16時48分] この星にある夜の余白へ静かな星を書き足してった 気付いたときには気付いてたんだ無意識的に意識していた 生き物たちが暮らしてるからこの世界には声があるんだ ---------------------------- [自由詩]そうした/水宮うみ[2019年11月26日9時17分] こころが空っぽになったので なにも考えずに眠った ---------------------------- [自由詩]無敵/水宮うみ[2019年11月29日22時54分] 世界中の笑顔の全てが、威嚇を起源にしているとは感じられない。 あの子のけらけら笑う姿に、敵がいるとは思えない。 ---------------------------- [自由詩]ゆ/水宮うみ[2019年12月5日9時22分] 「ゆ」という平仮名は魚の形に似ている 銭湯の暖簾は、人がくぐるとはらりと泳ぐ ---------------------------- [自由詩]満室/水宮うみ[2019年12月6日18時28分] 僕の部屋は、散らかってなんかいない。 たくさんの物で満たされていて、入れないだけ。 ---------------------------- [川柳]夢ゆき/水宮うみ[2019年12月6日22時02分] あの頃の僕には星にみえたんだ ゆっくりと夕陽に染まるユートピア くらやみに光を描いてくらそうか ---------------------------- [短歌]身近な短いうた/水宮うみ[2019年12月7日16時52分] 弟に飴をあげたら喜んだ ちなみに私に弟はいない 冒険が好きなあの子は非自明なことに瞳を輝かせている この家に猫といっしょに住んでいて、ときどき本を買ったりしている ---------------------------- [自由詩]詩集/水宮うみ[2019年12月8日8時37分] あなたがいない日々は、まるで余白みたいだ ---------------------------- [川柳]夜は星/水宮うみ[2019年12月11日10時44分] 深海の音がきこえる夜の風 目をとじて遠くのきみを思い出す 夜の空で無数の宇宙が瞬いた ---------------------------- [自由詩]未知の知/水宮うみ[2019年12月19日17時01分] 世界には、まだ誰も知らない素敵なものがたくさんあることを、私は知っている ---------------------------- [自由詩]かえない/水宮うみ[2019年12月23日11時31分] お金じゃ買えない、掛け替えのないものを、私はきみから貰ったんだよ。 ---------------------------- [自由詩]そういう風/水宮うみ[2019年12月23日17時16分] みんなへ挨拶するみたいに風が笑った ---------------------------- [短歌]つぶやき/水宮うみ[2019年12月25日6時18分] あのひとが「いいね」を押してくれたからずっと消せずに、残るつぶやき ---------------------------- [川柳]日々の光/水宮うみ[2019年12月28日18時09分] 開店とともに回転するお寿司 コーヒーのホットを飲むとほっとする カッコいい恰好をして学校へ…… ---------------------------- [川柳]この固体/水宮うみ[2019年12月28日18時11分] 吐く息は気体になった私です 人間と機械のあいだに吹いた風 未来には、今より多い過去がある 誰もみていないテレビが寂しそう ---------------------------- [川柳]歩きかた/水宮うみ[2020年1月1日15時42分] 感情が歩けないまま暮らしてる あの海へ静かに向かう白い雲 欲しいもの沢山あって、悲しくて きみの紙ひこうきが未だ刺さってる ---------------------------- [自由詩]空/水宮うみ[2020年1月4日17時43分] この世界で君が笑った ---------------------------- [自由詩]光年/水宮うみ[2020年1月10日18時07分] 私たちは、星と星とを線でつないで、名前を付けることができる ---------------------------- [自由詩]ずっと/水宮うみ[2020年1月11日17時31分] きみが恋になったみたいで、 ぼくの心がずっと変。 ---------------------------- [自由詩]流しそうめん/水宮うみ[2020年1月13日19時52分] 僕らの時空は伸びたり縮んだりしても繋がっていて、 気付かないうちに遠い時空の自分を助けていたりもするんだろう ---------------------------- [自由詩]詩と/水宮うみ[2020年1月18日6時14分] だれかの言葉について考えることが、ぼくにとっての詩だった。 耳を澄ますこと。きみが笑ってみせること。 いつかは消える声がここに届いて、 星の光がすきだと思った。 詩を書くと、あなたの顔が浮かぶ。 時間の中で永遠がはためく。 ぼくもきみも、すべてを話せはしないから、 ぼくらの間に詩があるんだろう。 ---------------------------- [自由詩]明日/水宮うみ[2020年1月20日17時37分] 昼が翻る。 靴が覆る。 夜が、甦るときに。 ---------------------------- (ファイルの終わり)