水宮うみ 2019年3月7日17時41分から2019年7月21日20時55分まで ---------------------------- [自由詩]心の遠足/水宮うみ[2019年3月7日17時41分] 十年前の自分と一緒に心の遠足に行こう。 ここには約束がある。 ---------------------------- [自由詩]春/水宮うみ[2019年3月9日16時11分] 君が未来でにやにや笑っている ---------------------------- [自由詩]道/水宮うみ[2019年3月9日18時26分] 自転車で世界へ。 ---------------------------- [自由詩]ふりかけよう/水宮うみ[2019年3月14日16時08分] いつのまにかコーヒーを飲む人になった。 えんぴつから青空が生まれていく。 褒め言葉が君を悲しい気持ちにさせるなら、 耳をふさいだって構わないんだ。 神様から君への祝福を、見て見ぬふりしたっていい。 毎日は、ふりかかってくるだけじゃない。 見たい絵を描いて、聴きたい音を鳴らして、 好きにふりかけをかけよう。 ふりかけが、ごはんの味を変える。 ---------------------------- [自由詩]延長戦/水宮うみ[2019年3月18日6時50分] 「残骸」 僕のこころは死んだから、いつまでもちゃんと笑えるよ。こころの残骸が涙を流すこともあるけれど、寿命まで生きるから許してほしい。星を見上げたことなんてないです。希望を持ったことなんてないです。無理やり笑顔を作るたびに、心臓が年老いていく。早くこの命が終わって、君への憎悪も一緒に消えてしまえばいい。みんな今日も一日、よく頑張ったね。 「ニュース」 天使になった。街は天国みたいに晴れ渡って、相も変わらずパトカーが元気に走り回っている。私は天使になったから、仕方ないなぁって思いながら息を止めて、絶対に来ないバスをずっと待っている。早く、あなたに会いたいよ。たった一言をまだあなたに伝えられていないから、私は人間の街で佇んでいる。 ---------------------------- [自由詩]えへへ/水宮うみ[2019年3月24日10時08分] 春を手紙にしたためて、 十年前の自分に送るよ。 ---------------------------- [川柳]にゃん/水宮うみ[2019年3月28日2時01分] 勇猛果敢に高みを目指す 背中の辺を撫でると喜ぶ 景色を眺め思索にふける 猫の言葉で夢を見ている ---------------------------- [自由詩]楽しい日々/水宮うみ[2019年3月30日7時12分] なにかが少し違えば、一緒にいることはなかった。 きみと出会わなければ、ぼくは他の誰かを好きになっていたかもしれない。きみも、他の人を好きになっていただろうと思う。 きっとふたりとも、それぞれ別の場所で幸せになっていた。ぼくだけが、きみを幸せにできる訳でもないだろう。 それでも、きみに会えて、好きになれてよかった。 きみの変なギャグセンスや、かわいい笑いかたや、真っ直ぐな言葉に出会えてよかった。 奇跡じゃなくても、運命じゃなくても、この恋がずっと続けばいい。 きみの笑顔が、ぼくの笑顔の理由になる。 出会ってくれて、本当にありがとう。 ---------------------------- [自由詩]四月/水宮うみ[2019年4月4日7時07分] 好きな人たちと、楽しく暮らしたい。 願っているのはそれだけなのに、私は今日も優しくなれない。 四月の花は、こんなに素直に咲くのにね。 誰かの感情に染まるのは簡単だから、 好きなものは自分で決めるよ。 綺麗な花を写真に撮って、大好きな人に送る。 ---------------------------- [自由詩]手のひら/水宮うみ[2019年4月6日5時56分] 一面に花が咲く。君の笑窪がひかる。星が降る。透き通る。春になる。 そんなかんじの恋だった。 ---------------------------- [自由詩]日々の手ざわり/水宮うみ[2019年4月6日13時47分] 手から、たくさんのものを受けとった。 けんかした友達と次の日に、旧友が遠くへ引っ越す日に、手を握り互いを認めた。 母親と人混みの中で、好きな人とふたりっきりで、手をつなぎ存在を確かめた。 おじいちゃんや同級生と、腕相撲をした。手が冷たくて不安になったり、手が大きくて驚いたりした。 雪合戦をした。バトンを渡した。涙をぬぐった。 人と手が触れたとき、謝ったり、まじまじと相手の顔を見たり、頬を赤らめたりした。 すべての日々が、この手と一緒だった。 すべての詩を、この手とともに書いてきた。 今までも、これからも、本当にありがとう。きみのおかげで、通い合えた心がある。 ぜんぶぜんぶ、大事にするよ。 ---------------------------- [自由詩]願い/水宮うみ[2019年4月10日21時05分] 僕らの未来に、星がありますように。 ---------------------------- [自由詩]あなたがくれたもの/水宮うみ[2019年4月11日6時31分] ふとした瞬間に、思い出すのはあなたの笑顔だ。 あなたに焦がれるようになったのが、いつだったのかは分からない。 出会ったときからだったような、もう二度と会えなくなってからだったような。 笑っているあなたを初めて見たときからだったような。 あなたはとっても不器用に、全力で生きていた。 頻繁に物とぶつかり、人とぶつかり世間とぶつかり、走って転んで跳ね回って暮らしていた。 息をつく間もなくあなたは生きて、そして去っていった。 だけどあなたは、消えた訳ではない。 あなたはぼくの心に、あなたを置いていった。 勇気がでないとき、あなたが背中を押してくれる。 涙が止まらないとき、あなたが隣で寄り添ってくれる。 あなたはぼくの灯になった。 あなたと、未来を生きてゆきたい。 そしてここにある灯が、誰かの星になればいい。 ぼくが笑っているとき、あなたも一緒に笑ってくれている気がするのだ。 ---------------------------- [俳句]生きる色/水宮うみ[2019年4月16日17時17分] あの時の夕陽は真っ赤な嘘でした たんぽぽのきいろい歓声陽の光 青空を雲がいっぴき歩いてく ---------------------------- [自由詩]暮らす/水宮うみ[2019年4月25日6時32分] 上手にコミュニケーションがとれないこと。 常に公平な立場ではいられないこと。 自分も他者も完璧にはなれないこと。 ぜんぶひっくるめて、笑えたらいいね。 ---------------------------- [自由詩]恋人へ/水宮うみ[2019年4月25日20時27分] 変な曲ばっかり勧めてごめんね ---------------------------- [自由詩]とけていく/水宮うみ[2019年4月28日16時54分] いつか、きっと忘れていく。 雨雲がときどき、力をかしてくれたこと。 窓の向こうに広がる夕焼けが、美しかったこと。 きみがぼくの心を、やわらかい色に染めてくれたこと。 思い出さなくなっていって、ぼくの笑顔の一部になる。 ---------------------------- [川柳]手を振っている/水宮うみ[2019年5月1日19時59分] 猫の手に触れてるときだけ良い人です なにもかも夜にまぎれて寂しいよ さよならにふわっと花が降ってくる たんぽぽはずっと消えずにここにある ---------------------------- [自由詩]平成/水宮うみ[2019年5月3日5時45分] 平成の風景を、今でも時々、夢にみる。 あの頃の僕らは、別に輝いてなんかなかった。格好よくなんてなかった。 それでもふいに、あの頃の僕に、会いたくなるときがある。あの頃の君と、話したくなるときがある。 決して、美しくなんてなかったけれど。強くなんてなかったけれど。 僕らはあの頃、確かに平成だった。 ---------------------------- [自由詩]花とあなた/水宮うみ[2019年5月4日17時35分] 今のあなたは、自分を否定したくなるくらい悲しいんだね。 涙も出ないくらい、つらいんだね。 でも、わたしはあなたが好きだよ。 わたしの心に、あなたが花を咲かせてくれたよ。 あなたがあなたを傷つけないですむように、わたしは書き続ける。 あなたの育ててくれた優しい花畑で、あなたが元気になってくれるのを待っている。 ---------------------------- [自由詩]僕/水宮うみ[2019年5月7日20時09分] 優しくなりたいとは思わない。優しくなくても、構わないと思う。 人生で人に与えられる優しさには、きっと限りがある。 無理に優しくしようとしても、限度を越えると押し付けになるように感じる。 僕の優しさがその人の心に、どう届くかなんて分からない。 僕はただ、落ち込んでいる誰かを少しでも元気にしたい。 泣いている誰かの、そばにいてあげられる人でありたい。 それはきっと、優しさではなくて、誰かのためでもなくて、 その誰かのことが、好きなだけ。 ---------------------------- [自由詩]光/水宮うみ[2019年5月8日7時44分] 君が言葉に詰まった、数秒間。 その時間を、僕はきっと死ぬまで忘れないと思う。 僕にとってあの瞬間は、人に心があることの証明だ。 世界が美しいことの証明だ。 悲しみとは未だに仲良くできない。 いつでも楽しい気持ちではいられないけれど、 僕はきっと、幸せなんだと思う。 ---------------------------- [川柳]てってれー/水宮うみ[2019年5月12日19時40分] なんとなく目からビームを出してみる 僕たちはマックに行くのを諦めた 落書きの中で何度も恋をする ときどきは泣いたりもするお月さま 犯人はきっと我が家の猫ですね 火星へと祈りを捧げる土星人 潔く罪を認めた夏休み 神様に言いたいことはナッシング もう少しだけ笑ってていいですか 仮面ごと君を大事に思います ---------------------------- [自由詩]話す/水宮うみ[2019年5月16日0時10分] 心が言葉を作った。心と心が、話し合うため言葉がうまれた。 心は心から話す。時折心にもないことを話しつつ、話したいことを話す。話したことが話したかったことになる。 僕はもう、心にもないことは離そうと思う。 心を離さず僕を離さず、君と話をしていたい。 話したかったのは、話しているのは、僕の心だ。 ---------------------------- [川柳]想った所存/水宮うみ[2019年5月19日11時41分] 青色が麦わら帽子に恋をした 降り積もるあなたの愛でねむる姫 サンダルと月夜が似合うお父さん ---------------------------- [川柳]ぼくと夜/水宮うみ[2019年5月20日18時36分] 絵本の中で星を探した 月のみえない夜のかみさま あの子がすこし泣いた日の夜 ---------------------------- [自由詩]口笛/水宮うみ[2019年5月29日20時27分] 君を思い浮かべると、君の口笛も一緒に浮かぶ 楽しいとき、嬉しいとき、君は決まって口ずさむ どこかで聴いたことがあるような、その場限りの人懐っこい旋律を吹く 息とメロディーだけのとっても素朴なその音楽が、 どんな言葉よりも君を語っているように、僕には思えた 君のよろこびは口笛になる だから君の機嫌が良いかどうか、皆いつでもすぐに分かった 君は隠しているつもりらしかったけど、ほんとにバレバレだった まるで犬が尻尾をぶんぶん振るみたいに、君は嬉しくなると口笛を吹く ---------------------------- [自由詩]いいえ/水宮うみ[2019年6月17日18時28分] 「すみません、これは、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、ですか?」 「はい、これは、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、です」 「ありがとうございます、私はこれが、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、だと分かり安心しました、私と言います」 「それは良かったです、僕は私に、これが電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、だと分かり安心しました、ですね、考えました」 「分かりました、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、だと分かりました、思います、と感じません、分かります」 「はい、私は、私が電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、だと分かりましたと聞き、思いませんでした」 「ありがとうございます、私は、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、言います、と言いました」 「はい、僕は電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、だと分かりません、いませんでした」 「言いません、思います、と覚えました」 「はい、電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、泳ぎます」 「流れました、私に電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました、ではありません」 「ありがとうございます」 「電車という手首、流れる腹で、通常も足、夜に目なのに頬を待ちました」 「いいえ、そうでした」 「僕が流れて、ではありませんか、ですか」 「そうです、夜で通常、手首を待ちませんでした、飛んでいます」 「はい」 ---------------------------- [川柳]日々の星/水宮うみ[2019年7月11日19時36分] 君の笑顔に星が住んでる それからずっと星と暮らした すべての星に神さまが居る 星のあなたが空に手をふる ---------------------------- [自由詩]お日さま/水宮うみ[2019年7月21日20時55分] お日さまが毎日沈むのは きみがぐっすり眠れるように お日さまが毎日昇るのは きみがたくさん遊べるように おやすみなさい、またあした お日さまが言ってるよ ---------------------------- (ファイルの終わり)