水宮うみ 2017年4月16日10時27分から2017年7月30日8時33分まで ---------------------------- [自由詩]朝/水宮うみ[2017年4月16日10時27分] どこからか人の笑い声が聴こえる。朝だ。マネキンにだって命が宿りそうなくらいに暖かな朝だ。 草のそよぐ音、川の流れる音がそこかしこで溢れ、景色が色彩を増し、僕の心から、ペンでは書けない感情が走り出していく。 見上げれば桜の花びらが、青空を舞っている。 ---------------------------- [自由詩]朝ごはん/水宮うみ[2017年4月28日6時21分] 朝起きると夢のなかにいた。 目覚ましアラームはなぜか「ワレワレハウチュウジンダ」になっていたし、窓から見える空はフルーツジュースみたいな色をして輝いていた。 宙に浮かぶスマホが言うには、僕はこれから子象の行進を食い止めるために、サラダ油を買い占めなければならないらしい。 でも、そんな夢のなかにいたって、僕は朝ごはんを食べたい。 ---------------------------- [自由詩]星/水宮うみ[2017年4月30日19時13分] あの星にも、かつて誰かが何かを願ったのだろう。 同じ星空を見て、あなたもきれいだと思っているだろうか。 遠い遠いあなたにも、いつか出会えるだろう。夢を見つづけているかぎり。 だって、同じ星空を見ているんだもの。 儚い光の反射が、今日もぼくらを少しだけ引き寄せる。 ---------------------------- [自由詩]君の光/水宮うみ[2017年5月6日7時13分] 太陽みたいな君が、君を嫌いになったときから長い夜が始まった。 どうしようもない夜に一つだけ星が見えて、その光がより一層夜を際立たせていた。 光の許されない夜に、僕は小さな光に救われる。 その光はきっと、君の手放せなかった君だった。 ---------------------------- [自由詩]人間でよかった/水宮うみ[2017年5月27日17時51分] 僕が君と同じ人間でよかった。 泣きながら笑ったり、疲れているのに大丈夫だと言ったり、 そんな不器用な君に「好き」って言える人間でよかった。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]一行/水宮うみ[2017年6月12日7時20分] 私は今、最初の一行を考えている。 詩を書こうとしているのだ。最近、詩が書けないのでそろそろ書きたい。 いつも詩が書けるときは、良い一行を思いついた時だ。 詩を書けるような、良い一行はいずれ見つかるだろう。しかし本当のところ、それは私が欲している一行ではない。 詩を書けるような一行ではなく、それ単体で完成している一行。 そんな一行を、ずっと探している。いつかそれが、見つかったなら。私はそれを、一行だけの作品として提出するだろう。 たった一つの数式が、様々なことに利用できるように。たった一人の人間が、歴史を動かしたように。そんな一行を、見つけられたらいいなと思う。 一行について書くのに、十行ほど使ってしまった。一行を書く為には、それだけ書かなければならないということなのかもしれない。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]最近考えていること/水宮うみ[2017年6月15日7時54分] クリックありがとう。このサイトは閲覧数が分からないから、あなたが何人目の読み手なのか分からないけど。 もしかしたら、誰一人として読んでくれていないかも。実際このサイト、どのくらいの人が見てるんだろうね。 どうか一人でもいいから、これから僕に付き合ってほしい。 僕は、生まれてきたこと自体には意味などないと思っている。そのことについての話を聞いてほしい。 何かの出来事に対して、「これが生まれてきた意味だったんだ」と感じることはないのかと、訊ねる人がいるかもしれない。 勿論僕にもそう感じることはある。だけど僕の場合、それは正確には、「生きてきた意味だ」と感じている。 奇跡みたいに偶然に生を授かったことよりも、頑張って生きてきたことのほうにこそ意味があると、そう思うのだ。 生まれてきたことに意味を見いだすことはできないけど、生きることには意味を見いだせる。 君に会えたことは何かからの授かりものではなく、君と僕が今まで生きてきたから、君に出会えた。そう思っている。 窓を開ければ、夏の夜の風が涼しく頬を撫で、真っ白な月が、神様みたいに暗闇を灯している。 だから僕は幸せだ。生きてきたから、君に会えた。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]詩日記/水宮うみ[2017年6月15日20時26分] 最近詩が書けない。 何故なんだろう。書きたいことがないのか、書きたいことがあるのに書けないのか。 おそらく、書きたいことがないんだろう。自分の傾向を鑑みるに、書きたいことがあれば時間をかけて考え、詩を完成させることができる。 どうすれば書きたいことができるんだろう。きっと、興味を持つことができたとき、それについて書きたいと思うのだろう。色んな事に挑戦し、体験してみること。そのことで詩が書けるようになるのだろう。 とはいえ、今日体験の機会を自分から捨ててしまっていたことに気付いた。牧場に行かないかと言われたが断ったのだ。理由は一つ、ただただ休みたかったのだ。だってフューチャーベース聴きたいし……少女漫画読みたいし…… もし牧場へ行ったなら、動物についての詩が書けたかもしれない。動物についての詩なんて書いたことはないから、きっと新境地の詩になったことだろう。 と書いているうちに、詩が出来た。どうぞ読んで頂きたい。 「動物」 動物は詩なんて書かない。 だって言葉を知らないから。文字を打てないから。 なのになんで、動物は詩人みたいに素敵なんだろう。 きっと、多くを語らない美しさを知っているからなんだね。 僕も、動物について、多くは語らないことにする。 いやはや、日記を書いてみるという体験によって、詩が出来てしまった。日記なんてものも、書いてみるものである。今日の、牧場に行かないという選択をした怠惰も、日記を書くという挑戦をしたことでどうか許してほしい。 ---------------------------- [自由詩]うちゅう/水宮うみ[2017年6月17日11時10分] 星のきれいな夜、わたしはひらく。 明日の予定も忘れて、 うちゅうに立ち返る。 ---------------------------- [自由詩]猫と座布団/水宮うみ[2017年6月24日17時39分] 触るとほかほか あったかくて気持ちいい こんなものの上で眠ったら気持ちいいだろうななんて 猫さんあなたが思った次の日には、 すっかりあなたのものになっているのです ---------------------------- [自由詩]美しいくしゃみ/水宮うみ[2017年6月28日21時45分] 夏のなかでは、汗がべとべと出て、どうしようもなく自分が生き物だと実感させられる。 だから夏が好きで、ほんの少しだけ嫌い。僕は僕が生き物だってことがほんの少しだけ嫌い。 この季節になると、いつかのある日、放課後の図書室で、ひとり汗を垂らしながら二十億光年の孤独を読んだことを思い出す。 あの詩のなかのくしゃみは、僕が今まで見たなかで一番美しいくしゃみだった。美しいくしゃみなんて詩的な言い回しを感想に持ったのも、あのときが初めてだった。 ひとりの詩人の孤独が、人を束の間詩人にさせる。 そんなあの日のことをふと思い出しながら、今日も鼻をむずむずさせて、僕は満天の孤独を見上げる。 星の瞬きを言葉にしたかのような、僕の孤独を語ってくれたかのようなあの完璧な詩がとてつもなく好きで、ほんの少しだけ嫌いだった。 ---------------------------- [自由詩]出会えた/水宮うみ[2017年6月30日6時49分] 生まれたときに母と父に出会えた。小学校で面白い人に出会えた。中学校で好きな人に出会えた。高校で親友と呼べる人に出会えた。 あなた達が今日もどこかで存在していると思えば、どんな不幸なことが起きてもなんだか大丈夫だと思えるのだ。 あなた達に出会えたことで、僕は幸せに出会えたんだ。 ---------------------------- [自由詩]イアホンを外せば聴こえる/水宮うみ[2017年7月1日13時08分] 鳥の声、草木のそよぐ音、電車の走る音が、ふと音楽に聴こえるときがあって、 そんなとき僕はこどもに戻ったかのように純粋になる。 だから僕は、散歩をしている間イアホンを付けない。 もしかしたら、どこかから音楽が聴こえるかもしれないから。 ---------------------------- [自由詩]体温/水宮うみ[2017年7月2日8時03分] 優しくされて涙があふれた まるで凍りついた悲しみがとけだしたみたい ---------------------------- [自由詩]ゆび/水宮うみ[2017年7月2日17時54分] 指は、憶えていてくれる。 キーボードの文字の配置を。ピアノで猛練習した曲の指使いを。 本人たちも忘れてしまった、指切りげんまんを。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]小説家小説/水宮うみ[2017年7月3日20時26分] 紙山文章は書きあぐねていた。小説のネタが思い浮かばないのだ。 気分転換に積読している本でも読もう、と積読本の山を物色していると、ある作家の私小説が目に留まった。私小説は書きやすいとよく聞く。文章は思う。そういえば、私小説らしい私小説を書いたことがない。だが私小説を書くのは何となく恥ずかしい。しかし他にネタもないので、文章は早速小説家についての小説、つまり私小説に少し近いものを書き始めてみることにする。題名は、とりあえず仮に『言葉の降る朝』とした。 『私は文字。山本文字。小説を書くのが趣味で、ネットに作品を投稿したりしてる。文字は文字を書くのが好きなんだな、なんて、半笑いでよく言われる。からかいやがって! 閲覧数が伸びると純粋に嬉しい。別に閲覧数が伸びたってお金が入ってくる訳でもないのにね。 趣味は散歩。年寄りくさい趣味ってよく言われるけど、これがないと私は小説を書けない。田んぼが陽の光に当たってきらきらしているのや、池でカメが日向ぼっこしているのをぼぉーっと見ていると、自然と誰かに伝えたい言葉が出てくるんだ。その伝えたいことをパソコンに打ち込んで、悪戦苦闘四苦八苦すればいつの間にかそれなりに形の整った小説ができる。そんな風にして私は小説を書いている。私にとっては太陽の光がアイディアの元だ。晴れた空から言葉が降ってくることに、何故だかみんな気付かない。 私の代表作、というか一番閲覧数が伸びた小説は『光を失った小説家』。盲目の小説家、説話文学が主人公の小説で、ある事故により失明した文学が、それでも小説を書きたいと思い、編集者に自分の考えたお話を聞いてもらい、それを文字に起こしてもらうことでまた小説を書くことができるようになるというお話だ。その後編集者の女性と恋に落ち、その女性とともに幸せに暮らすようになる。それ以来どう考えてもその編集者をモデルにしたとしか思えない小説を立て続けに書き続け、恋って盲目だね!みたいなオチの小説。 今書こうとしているのは、手書きに拘る小説家の話。だからと言って、そのお話自体を手書きで書いている訳じゃないよ? 私はパソコンで書いてる。私に限らず、今どき、文章を書くのが趣味の子のほとんどはパソコン等を使って書いていると思う。だってそうじゃないと、インターネットに投稿できないし、データを簡単に人に渡すことができない。インターネットに投稿できない文章の価値はどんどんなくなっていってる。今のこの便利な時代に手書きの小説に拘る人がいたとしたら、どんな人なんだろう、って散歩中にふと思って、試しに書いてみてるんだ。パソコンを使ってパソコンで文章を執筆するのが嫌いな人を描くのは、どこか不思議で、書いていてなんだか楽しい。』 とここまで書いて、文章は一息つく。さてこれからどうしようか。山本文字はこれから何を考えるだろう? とりあえず、夕方なので犬の文庫を散歩に連れていってやらねばならない。そう思って玄関に向かう。すると、窓の傍でうとうとしていた文庫がしっぽをヘリコプターみたいにして近寄ってくる。 はふはふ言っている文庫に首輪をつけて、外に出た。 海のザザァという音が微かに聞こえる。文章の家は海のすぐ近くだ。 文章は、手書きで小説を書いている。何故かと問われてもよく分からない。あえて言うなら昔からそうやって書いてきたからだろうか。 文章はもう若くはない。老人と言って差し支えない年齢だ。最近散歩を長時間するのが、少し辛くなってきている。 さて、自分が書いている存在だとは言え、文字は手書きで小説を書くことに、どんな意義を見いだすのか。鉛筆で小説を書く者として、少し楽しみだ。 そんなことを思いながら歩いているうちに、だんだんと海の音が近づいてきた。季節は初夏。これくらいの季節になると、海へ着いたら文庫を好きに泳がせてやる。文章の住んでいる所は交通の便が良くないので、それほどたくさんの人は海に遊びにこない。犬一匹好きに泳がせたところで誰に迷惑がかかる訳でもないのだ。文庫は文庫本みたいに小型な犬のくせに、とても楽しそうに上手に泳ぐ。 文庫が泳いでいる間はひまなので、いつも砂浜に文字を書いている。さて今日は何を書こう、と木の枝を手に取り、普段文字を書く場所を見ると、なんと既に先に誰かに文字を書かれていた。 「いつも綺麗な文字をお書きになりますね」 こう書いてあった。見られていたのか、と少し恥ずかしくなったが、それよりも、その筆跡が美しいとは言い難く、書いている内容とは真逆でなんだか笑ってしまった。 『私、分かった。手書きで文章を書く意味。手書きで小説を書く人はきっと、世界(インターネット)より、目の前の君に、自分の筆致の文章を、直接読んでほしいんだろうね。たくさんの人に見て貰うより、今この瞬間、大切な『あなた』に読んでもらうために、小説を書く。それはどこか、物語を介したラブレターに思える。パソコンに打ち込んだ文字はいくらでも複製できるけど、手書きではそれはできない。もしも仮にこの世界が文字で記されていたとして、パソコンと手書きどっちで書かれていたほうがいいかと言えば、下手くそでいいから手書きで書かれていたほうがいいって思わない? 手書きにはきっと、唯一無二の愛情を込めることができるんだよ。』 ---------------------------- [自由詩]プラネットアイ/水宮うみ[2017年7月6日21時03分] 「目を瞑れば宇宙に行けるよ。あなたにしか見えない星たちが、きらきら瞬いているのが見えるはず」 君はそう言う。 だけど、僕は君と宇宙に行きたいんだ。 ---------------------------- [自由詩]もらい泣き/水宮うみ[2017年7月9日11時13分] 君が泣き始めてしばらくすると、雨が降ってきた。 空が君にもらい泣きしているみたいだ。 空も、君を見守ってくれている。 だから君と離れているとき、空が晴れていると安心する。 きっと君もどこかで笑ってくれているから。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]月には届かない/水宮うみ[2017年7月12日20時41分] 孤独なんてものは感じ方の問題で、孤独でなくなることなんか簡単だ。 その気になれば、音楽と話をすることだってできるし、夜と手をつないで眠ることだってできる。 私たちは、あらゆるものを友達だと思うことができて、例えば私は孤独が一番の友達だ。 孤独の、暖かい手のひらをそっと握る。 孤独という友達がいるから、私は孤独ではない。 ある日孤独が言う。「月を見に行こうよ。」 私は言う。「なんのために?」 「君みたいな孤独な人間には、月を見るのが一番だからさ。」 孤独はまるで私のように寂しげに笑った。 「孤独じゃないってば」 「孤独なんかと友達になる奴は、孤独に決まっている」 ぐっと言葉につまる。 「どうせ孤独なら、月のように孤高になればいいんだ。」 「私は星じゃないわ」 「そういうことじゃない。」 孤独はふふっと笑う。孤独は孤独のくせによく笑う。 「月は、夜空にただ一人、佇んでいる。誰にも寄りかからずに、誰かに勇気を与えながら。素敵だと思わないかね。」 「人の憧れるものを勝手に決めないでくれる? 私は月に勇気をもらったことなんかないし、誰かに勇気を与えたいとも思わないわ」 「そうかい。けどまぁ、することもないし、見に行こうよ、月」 「玄関に出るだけなら」 私はそう言って、孤独とともに外に出る。 夜空を見上げると、月がまるで、ランプみたいに暗闇を灯していた。 なるほど。確かに、暗闇のような不安のなかにいる人は、この光をみて、安心するかもしれない。 そう思った。 月には届かないこの手が、孤独に届くのは不思議だ。 孤独にそう言うと、僕は別に宇宙に浮かんでいる訳じゃないからね、と言った。 ---------------------------- [自由詩]うみに行かずとも/水宮うみ[2017年7月14日21時23分] わざわざうみにまで行かなくたって、近所をぶらぶら散歩しているだけで案外救われたりする。 道をさえぎるほどに伸びきった雑草、ハエのたかる犬の糞、 でかい音を立てて走り去るトラック、落書きのされたガードレール。 そういったものたちが、僕らを抱きしめてくれることもあるのだ。 ---------------------------- [短歌]夏だ/水宮うみ[2017年7月14日21時24分] 飛び回る虫がきらいな人だって生まれたときは泣き虫だった 夏休み持て余していた時間たち 今もらえたら持て余したりしない 蝉の声がきらきらしている 泥水もきらきらしている 瞬く夏だ ---------------------------- [短歌]あいらぶゆーとぴあ/水宮うみ[2017年7月17日18時11分] 世界中すべての景色を見れずとも君を見れたからそれでいいや 君めがけ僕は本から抜け出して文脈越えて会いに来たんだ 満たされたどんな素敵な世界でも君がいないならユートピアじゃない 春休み図書館で本を選んでる君の髪の毛に恋をしたんだ ぷよぷよで遊び疲れてふわふわと眠るあなたの頬には桜 ---------------------------- [短歌]四季者/水宮うみ[2017年7月20日16時21分] 特大の夢を見ながら眠る君に春という名の毛布をかける 暑いねと微笑む君の声聞いた瞬間世界が夏へと変わる 食欲の秋だねと言って栗食べるくりくりとした瞳が愛しい 冬の夜電話の向こうで泣いているあなたのサンタに今すぐなりたい 春の新学期に同じクラスになった友達。 夏のプールで遊んでいたあどけない子ども。 秋に落ち葉のなかで微笑んでいた老夫婦。 冬の公園で黙々とジョギングしていた女の人。 新しい季節が来る度に、ひょっこりとかつて出会った人たちの影が現れて、僕はその影に会う度少し安心する。 僕もまた、誰かの季節の影になっているのかなと考えることは少し楽しい。 僕と君手と手をつないでどこまでも季節を越えて一緒に行こう 君という命があることそれだけで春夏秋冬ぜんぶが宝石 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]◯/水宮うみ[2017年7月21日12時15分] 道端で◯を拾った。 ◯はシャボン玉みたいにぷかぷか浮かんだり、ビー玉みたいに色鮮やかになったり、独楽みたいにくるくる回ったりする。 お前は何なのかは置いておくとして、とにかく素敵なものであることは確かだな。 そう言うと、◯は恥ずかしそうに頬をふんわり赤く染め、 。。。。と遠くへ転がっていった。 ---------------------------- [短歌]ショートソング/水宮うみ[2017年7月22日18時01分] 鍵盤ハーモニカを弾いてる君の手にまるで発熱みたいに恋した 適当に買ったコンピに入ってた名も知らぬバンドの曲が身に染みる 中古屋で買った異国のCDがなんか陽気で無駄に腹立つ ---------------------------- [短歌]ヒートアップ/水宮うみ[2017年7月24日13時13分] もうみんな忘れてしまっていたけれど温暖化は日々進んでいってた 南極の氷も溶けるこの暑さエアコンひとつで簡単に消せる 地上では無数の光が輝いて地球の空から星が消えていく ヒートアップしていくこの惑星の上で、僕らはどこか冷めた表情をして日常を送っている。僕らはもう十代ではないから、夏のようには熱くなれない。地球を救うなんてこと、最近じゃ冗談でも言わなくなった。 夢のように科学が進んで、僕らはいつしか夢のように豊潤な自然を失ってしまった。 社会がこの星を制圧していく。 地球はやがて炎になる。僕らは何になるだろう。 ---------------------------- [短歌]なんだか今死んだって構わないってくらい幸せな人生だったなと思うときがあるのだ/水宮うみ[2017年7月24日14時44分] 騒がしく君が生まれたその夜に星が瞬いた騒がしいくらい 僕のこの君への胸の高鳴りが地球温暖化促進している いつだって優しさ纏って生きているそんなあなたがいつだって好き! ---------------------------- [自由詩]思うがままに詩を書けたなら/水宮うみ[2017年7月25日6時14分] もしも思うがままに詩を書けたなら 僕は今より格好良くなれるだろう もしも思うがままに詩を書けたなら 今よりもっとポイントもらえるだろう もしも思うがままに詩を書けたなら ひょっとしたら詩で稼げるかもしれない けれど、思うがままに詩を書けないとしても 僕はずっと詩を書いていくだろう なぜなら、詩のことばは、とても格好良いから いつかは僕も、詩のように格好良くなりたい 僕は詩に憧れて、詩を書くようになった ---------------------------- [自由詩]僕らは赤い風船になった/水宮うみ[2017年7月28日12時15分] 残酷な人たちへとアメ玉を配る セミに雪だるまを見せてあげる なにかを掴もうとしながら歩いている 最後の夜君は満天の光を放つ あなたの変てこな笑い方を思い出す 心が軽い。良い恋をしている ---------------------------- [自由詩]本/水宮うみ[2017年7月30日8時33分] 鞄光らせ本屋へ行こう 今日はどんな本に出会えるかな 世界中の本を読もう 今日はどんな言葉に出会えるかな 僕らは本を読み続け、 少しずつ自分の言葉を手に入れていく いつか君に届くような言葉を手に入れられるといいな 今夜も本を読みながら眠ろう 今日はどんな夢に出会えるかな ---------------------------- (ファイルの終わり)