水宮うみ 2016年9月17日10時57分から2016年10月2日16時53分まで ---------------------------- [自由詩]言葉遊び/水宮うみ[2016年9月17日10時57分] 言葉は壊せない。 ことばは壊さない。 コトバは壊したい。 ことばと言葉の追いかけっこに、コトバが参加した。 追いかけっこは楽しかった。 コトバにことばと言葉という友達ができて、コトバは元気になった。 コトバは壊したいので、とりあえず詩に攻撃してみた! 詩が一瞬壊れた。だがすぐ立て直した。 詩がシになったくらいのダメージだ。 どう攻撃すれば詩が壊れるかを、コトバは考えてみた。 どう攻撃すれば詩がすべてカタカナになるかを考えた。 詩人がカタカナに変えればいいじゃん!と、コトバは思いつき、文句を言いに行きましたとさ。 ---------------------------- [自由詩]数学が歪んで現代詩になり、現代詩が歪んで数学になり/水宮うみ[2016年9月18日12時15分] 孤独なこころが現代詩を産み、孤独なたましいが数学を産み、孤独な僕はこれを産み、孤独なあなたが歪まずになにかを産んでほしい。 孤独は世界を産んだ。あなたはなにを産むだろう。僕は普通を産みたい。 ---------------------------- [自由詩]眠ろう眠ろうあたしは元気/水宮うみ[2016年9月20日23時10分] あなたの眠りを妨げるものなど、すべて眠らせてしまえばいい 色んな人が電車に乗る あなたは何色の駅に止まりますか あたしは、淡い色で、ぐっすり眠れる駅に泊まりたい ---------------------------- [自由詩]ネットサーフィン/水宮うみ[2016年9月21日11時38分] 俺たちネットサーファーは、何が何だか分からねぇが、何かが分かるようになったらいいなと思いながら、サーフィンしてるぜ。 読書サーファーも、何が何だか分からねぇが、何かが分かるようになったらいいなと思いながら、読書してるぜ。 ミュージックサーファーは、何してんのか知らねぇ。窓開けて外の音を音楽として聴いてんじゃねーかな。 映画サーファーは、何かが分かるようになったらいいなと思いながら、何が何だか分からねぇまま、ツタヤで映画借りてるぜ。 俺は普通に海でサーフィンしてみてぇな。 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映画みたいなミュージックビデオ、 ミュージックビデオみたいな映画が、 お祭りを再現してくれる。 明日は楽しい音楽祭だ。 祭り行きてぇな。いっそみんなで祭ろう ---------------------------- [自由詩]暇人と忙しい人/水宮うみ[2016年9月23日12時11分] パソコン開くと誘惑が物凄いので、CD聴く。 映画観たり漫画読んだり病院行ったり数学したりと忙しい。 誘惑が暇を潰すけれど、いやな暇の潰し方に思える。 暇な時に、何をすればいいのか分からなくなる。 忙しいときも、何をすればいいのか分からなくなる。 それが普通だって、そんな当たり前のことに今さら気づいた。 当たり前に暇。 ---------------------------- [自由詩]答えと戦い/水宮うみ[2016年9月23日12時50分] 質問しても答えは帰ってこないので自分で答えるしかない。 なのでいっそ質問しまくろう。 「?????」って言ったらあっちも心の中で「!!!!!」ってなるぜ。 勝ったとか負けたとか無しで戦いたい。だが、俺は戦いに敗れた。 お前らは戦いに勝てよwwwwwwwwwwwwwwwwwww ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]新しいノンフィクション/水宮うみ[2016年9月23日22時10分] 「今いる場所がフィクション、虚構にしか思えないってことは、あなたが今いる場所をフィクションだと思うことができるってことで、あなたは立派な主人公だ。虚しい主人公だ」 あなたが今いる場所をフィクションだとは思えない、ノンフィクション、現実にしか思えないのなら、あなたには作家になってほしい。 あなたはフィクションにはない場所にいるので、新しいフィクションを作れる。 ---------------------------- [自由詩]入れ替わってる!?/水宮うみ[2016年9月24日12時25分] ある朝目覚めると、フィクションはノンフィクションになっていた ある夜目覚めると、ノンフィクションはフィクションになっていた フィクション「あれ……」 ノンフィクション「もしかして俺たち……」 フィクション・ノンフィクション「「入れ替わってる!?!?!?!?」」 フィクションは初めて物質を知った ノンフィクションは初めて省略を知った フィスションのなかにも言葉があって、ノンフィクションのなかにも言葉がある フィクション「ノンフィクションさんですか?」 ノンフィクション「ノンフィクションさんですよ」 フィクション「ノンフィクションに戻りたいですね」 ノンフィクション「わたしはフィクションに戻りたいです」 フィクション「ノンフィクション楽しいですね」 ノンフィクション「フィクション楽しいですね」 フィクション「フィクションに戻りたいです」 ノンフィクション「わたしもノンフィクションに戻りたいです」 フィクション「似たようなものですね〜」 ノンフィクション「似たようなものですね〜」 次元を超えて、フィクションとノンフィクションは手を繋いで歩いて帰った。 ---------------------------- [自由詩]好き/水宮うみ[2016年9月24日20時52分] 僕は今、好きな言葉を書いている。言葉でできた二次元の僕は、飛び出すことができない。僕は今、好きな僕を書いているだけで、いつか好きな君を書きたい。「好き」って言葉が好きで、「好き」って言葉が飛び出してほしいし、「好き」って言われたい。 「言葉にできない」と言葉にするのは、やっぱり言葉が好きだからなんだろう。 ---------------------------- [自由詩]音楽を風景みたいに見てみたい/水宮うみ[2016年9月25日17時30分] 音楽を風景みたいに見てみたい 好きな風景みたいに見てみたい 好きな風景みたいにうたいたい ---------------------------- [自由詩]生きた目/水宮うみ[2016年9月25日22時30分] 死んだ宇宙のような目をした宇宙のなかで、君は死んだ僕のような目をしていてボーッとしている。それでも、生きた目をして生きていてほしいと、僕は思う。 ---------------------------- [自由詩]当たり前ってなに?/水宮うみ[2016年9月25日22時44分] 当たり前に飯食ってパソコンつけてネットサーフィンして辛くなる。 神様からのプレゼントだね。時間がない人もいるしね。 当たり前に子ども産むのは、なんか普通じゃないと思う。 当たり前に普通。普通が当たり前に飯食ってる。 ---------------------------- [短歌]やりたいこと/水宮うみ[2016年9月26日11時07分] むしの声 聴こえて来たので 明日から 存在したい 時間を生きる 時間たち 人たちのなかの 時間たち これからもずっと 時間と暮らす 海の外 言葉にならない 音がして 扉を開けて 大声で叫ぶ 口の中 甘くて白い 味がして 疑われてるよ 洗面台に ひと昔 までは悲しい こころして 今は楽しい こころをしてる ---------------------------- [自由詩]沈んでいる。/水宮うみ[2016年9月26日18時08分] 僕のなかに沈んできた娯楽の集まりが、僕で、あなたたちを楽しませてくれたらいい。 沈んでいる人を楽しませてくれたらいい。あなたを楽しませる沢山の娯楽のひとつになったらいい。 誰かが沈めておいてくれた娯楽が、僕を楽しませてくれたから、その誰かになりたいって思いが沈んでいる。 ---------------------------- [自由詩]歌時間/水宮うみ[2016年9月27日16時26分] 歌が時間を追いかける。時間は歌に捕まえられる。時間が歌に盗まれる。盗んだのはある時間。盗んだ時間のなかで誰かが時間の外に出る。誰かが時間を歌いだした。誰かにとっての歌が時間だって、歌が歌いだした。 ---------------------------- [自由詩]旗/水宮うみ[2016年9月27日16時34分] 時計の上に旗を立てよう。 明日が旗で、時計は進む。 旗は誰のものでもない。 旗が時間で揺らめく。 時計にとっての明日が、なんの変哲もない明日なら、時計は大丈夫。 君にとっての旗が君自身の立てた旗であれば、明日が君のものみたいなものだ。 ---------------------------- [散文(批評随筆小説等)]喋ります。/水宮うみ[2016年9月28日14時40分] 僕が生まれて初めてしたことは、喋ることでした。 まわりの喋り声が五月蠅くて辛かったり、まわりの喋り声が落ち着かせてくれたり うまく喋れない時期もあったり、喋りすぎる時期もあるけれど、 今は僕なりに喋れています。今後も喋ります。 ---------------------------- [自由詩]安全/水宮うみ[2016年9月28日18時34分] 幽かな機械が夢を語っている。 夢みる幽霊が歌を歌っている。 夢みる夢が音楽を奏でている。 夢みる機械が語り歌っている。 ---------------------------- [自由詩]雨越しの景色/水宮うみ[2016年9月29日11時37分] 町を散歩していると、僕がちっぽけな存在だってしみじみと感じられて、安心する。 僕より大きい樹が、存在を教えてくれる。 大きい樹は、存在以外のことを何も教えてくれないから好き。 僕は自動車より小さい、家屋より小さい。自販機と同じくらいの大きさで、色んな飲み物が売られている。自販機さんだってお金が欲しいだろうけど、今日は何も買わなかった。 無数の小さな雨たちのなかにいる。 落ちてくる雨たちで水面がパチパチってなる。 水たまりを踏んだらシャボン玉がふわふわ浮かんで飛んで、楽しい。 ---------------------------- [自由詩]詩をあなたと作ろう/水宮うみ[2016年9月30日11時42分] 詩を一緒に作ったら、初々しい詩が生まれて、その詩はもうあなたとわたしの子どもだ。 その詩はたくさんの人と関わるだろう。あははと笑ったりほろっと泣いたりさせながら、生き続けるだろう。 あなたとわたしがいなくなっても、その詩はきっと生きる。生きていてくれる。 その詩のことをみんな忘れてしまっても、覚えててくれる人がいたらいいな。 ---------------------------- [自由詩]プラネタリウム/水宮うみ[2016年9月30日16時43分] 階段を上がると宇宙がいた。 「宇宙って割と近くにいるんだ〜〜」 と素朴に思った。 宇宙人はいなくて、ただ単に宇宙がいた。 ---------------------------- [自由詩]猫/水宮うみ[2016年9月30日16時50分] 「死んだ猫の瞳みたいだね」 彼女はそう呟いて猫みたいに眠った。 猫と話すときの人の瞳は生きている。 ---------------------------- [自由詩]はじまり/水宮うみ[2016年10月1日12時57分] あははって笑って詩が生まれたり、ぐわーって泣いて詩が生まれたり、ぼーっとしてると詩が生まれたり、詩はいろんなときに生まれる。 生まれたての詩人が、「寂しい」と呟いたのが、詩のはじまり。 ---------------------------- [自由詩]別人/水宮うみ[2016年10月1日18時06分] 服を着替える度に別人になる。 僕になったり俺になったり私になったり。 どれもじぶんだ。 空だって別人になる。 ---------------------------- [自由詩]宇宙は楽しさから生まれた/水宮うみ[2016年10月1日21時12分] 悲しくて宇宙滅びればいいって思うときがある。 でも、楽しいときもあったし、今も楽しいときがある。あの子が声をかけてくれたり、ある人に褒められたり、アホなことネットでやっている人みたり、エロ動画みたり。 悲しみを言葉にできるものなんていないんだろう。悲しみは言葉の外にいる。 悲しみや楽しさの先に愛があって、愛は話してくれる。愛は言葉の上をひらひら舞い、目で見ることはなかなかできない。 愛があるから悲しいのであって、世界は悲しくない。 僕のためにも宇宙は楽しく続いていって欲しい。 ---------------------------- [自由詩]最近の一瞬/水宮うみ[2016年10月2日16時53分] □涼しさが吹く 涼しさが人を助けてくれる。 クーラーは建物の外にもあって、涼しい風が今日を肯定してくれた。 あなたが風を吹く。 □公園で遊ぶ 眼鏡を外して散歩してみたら、町は迷路ではなく、曖昧な町になった。 公園に帰ってみたら、昔の僕がいて、ひとりで遊んでいた。 昔の僕は休み時間に迷路を書いていた。今の自分は、曖昧を書いている。 自分は昔とは違う公園のなかにいる。 満たされない公園があって、雑草が遊んでいる。 □絵本みたいな君 本を閉じて、本とともに眠ろう。 いびきをかく君は多分、 絵本みたいな夢をみている。 ---------------------------- (ファイルの終わり)