文学・文化研究の新展開―「間テクスト性」
グレアム アレン
価格:¥3,570(税込)
レビュー:午睡機械
ひとつのテクストは単独で存在しているのではない。それは他の諸テクストとの関係の網の目のうえに置かれて読まれるのだ――
クリステヴァ以来、濫用に近いかたちで用いられてきた「間テクスト性」概念をめぐって、その本質と系譜が詳しく解説されている。「作者の死」を肯定的にであれ批判的にであれ語ろうとする者にとっては、必読の書かも知れない。
原書においては難解な術語も、すみずみまで丁寧に日本語訳されているのでわかりやすい。入門書として使えるものでありながら、しつこく付き合ってみたい一冊。これまでとっつきにくさを感じていたひとにもおすすめしたい。